短い悲鳴

日記を書いていると、自分が日頃どんな感情になりやすいかがよくわかる。わたしはよく「恥ずかしい」と書く。これはほんとうに根深い。昔より捨てられるようになったが、まだまだ湧いてくる。恥ずかしくて実際に顔を赤らめることもあるし、一人で思い出して叫んでいることもある。んああっ、という短い悲鳴が多い。

まず人にものを聞くのが恥ずかしく苦手だ。店内でお目当てのものが見つからないとき、店員にすぐ声をかけられるか? 否。わたしは三周くらいしてようやく店員を探しはじめる。人によっては店に入るやいなや店員に聞くだろう。そして他のものには目もくれず、目当ての品だけ買って爽やかに去っていく。店でなにかを探している時間を生涯で合計したら、人に聞くのに躊躇ない人間とわたしとでは、数年の差がつくのではないか。

その延長で、インタビューのような質問をするのも恥ずかしく、なにも浮かんでこない。就職面接を受けたとき、最後に「質問はありませんか」と聞かれるのが心底嫌だった。とにかく自分以外に興味が薄いからかもしれないが、なにを聞いたらいいのかわからないし、絞り出すとへんなことを聞いてしまいそうだし、就活マニュアルによるとそれさえ面接の点数として加味されるというではないか。

わたしは「イエとくに……」と答え、軒並み落とされた。軒並みは盛りました。面接まで進めたのは一社のみです。選考前の性格テストみたいなやつで落とされたところが一社、応募はしたが課題が面倒くさくなって無視しちゃったとこが一社、ポートフォリオを送ったけど「作るものに新鮮さがない」と送り返してくれた事務所がひとつ、ポートフォリオを送ったが音沙汰がないのでこちらから勇気を出して電話したら「ごめん連絡忘れてた、とはいえ落ちましたよ」と教えてくれた事務所がひとつ。んああっ!!