寒疲れ・カフェにて

数日前、ライブに行って気づいたのだが、やはり住んでいるこの地域は、東京よりぐっと寒い。もちろん温度が低いことは知っていたが、深夜の時間帯に外にいることがほとんどなかったので、体感として知ったのはライブ帰りに深夜バスを待っていたときであった。東京に住んでいたとき、いやぁ東京では寒い寒い雪だ雪だとかいくら言っても電車の中とか馬鹿みたいに暑いし、ダウンコートやらヒートテックやら着てるとのぼせちゃわない?と周りを嘲笑していたものだが、彼らはわたしが今住んでいる地域あたりから出てきていたのかもしれない。これだけ寒ければ、ダウンか毛皮かを着ていないと夜と早朝には凍える。

ここ数ヶ月のラジオ体操継続効果によるものなのか、ライブで二時間立ちっぱなしでも、たいして疲れた気はしていなくて意気揚々と帰りの電車には乗れたのだけれど、バスを待っている十五分の寒さで全身に力が入ってしまい、それだけで疲れ果てた。寒さは体力を奪う。帰ってすぐレンチンして食べた肉まんのおいしさといったら。

次の秋には暖かくて軽いコートを買おうと決めた。ダウンコートの一般的なシルエットがあまり好きでないので、ものすごく探し回る予感がする。

 

友人と新年初めて会う。うちの近くの、このへんでは群を抜いてオシャレなカフェで、キャロットケーキを食べた。皿が額縁みたいで美しい。たとえこの麗しい皿を買い、ケーキはテイクアウトしたとしても、こういうカフェでお茶をする優雅な気持ちには、家ではなれない。場の力と、給仕してもらっているという体験が重要なのである。

しかしこのカフェの店長だかオーナーだかの人、来店した客に必ず「えーっ忙しいのにまた来たー」って表情をする癖がある。おしゃれで美味しいカフェなので結構な率で満席で、忙しいのもよくわかるが、いらっしゃいませって言うときくらいその感情、しまっておいてほしい。ただのわたしの邪推で、もともとそういう顔なのかもしれないが……。

友人がお年賀、と言ってフィナンシェをひとつくれた。なんだか大人っぽくて素敵だった。帰省した地元のお土産とかいうわけでもなく、通っている病院の近くのケーキ屋さんのフィナンシェらしい。そういうところも肩肘張っていなくてすばらしい。わたしは他人にどんな小さいものでも、不意のプレゼントをするというのが苦手なので、こういう高度なさりげなさのあるプレゼントをもらうと感動してしまう。メモっとこメモっとこ。