温泉たまご制作の選択肢

いろいろあって、温泉たまご器をもらった。いろいろのところは長くなるので省略する。それから、べつに温泉たまご器は欲しくなかったし、ほとんど押しつけられたようなものだと思っている。断れなかった。

温泉たまごを作れる機械は、実はうちにもう一台ある。こちらは意思を持って買ったもので、温泉たまごだけでなくゆで卵(固・半熟)も作れ、小ぶりな炊飯器くらいの大きさはあって、卵は一度に六個入る。蓋に鶏のとさかを模した取っ手がついており、卵を茹でるためだけの機械であると暗に示している。

温泉たまご器は「器」を標榜するだけあって、複雑な機構も電源の必要もなく、一見するとタッパーだ。底に細かい穴が開いているので、ふつうにタッパーとしては使えない。生卵と熱湯を入れると、底の穴からじわじわと湯が排出され、15分くらいかけて水がすべてなくなったら温泉たまごのできあがりだという。

世にはいろんな目的に特化した商品があるものだなあと感心した。

クックパッドを見ると、温泉たまごはお湯を沸騰させた鍋に卵を入れて火を止め、15分ほど放置すれば完成とある。温泉たまご器の場合、完成までに(1)湯をわかす(2)卵を温泉たまご器に入れる(3)温泉たまご器に湯を注ぐ(4)15分待つ、の四工程が必要だが、鍋で作る場合は(1)湯をわかす(2)卵を鍋に入れる(3)15分待つ、の三行程で済むわけだから、より簡便であると言える。しかしクックパッドを参照に鍋で作る場合、投稿者の使っている鍋と自分の鍋の熱伝導性や大きさ、さらに卵の大きさの違いにもよって、15分でほんとうに温泉たまごになるのかどうか、確信が持てない。万一失敗したら、あとには試行錯誤の道が待っている。試行すべき選択肢は卵の大きさ及び数を変える、鍋を変える、水の量を変える、もうちょいこだわると卵を常温にするか冷蔵庫から即入れるか、などと多い。

温泉たまご器であれば、「卵はふたつまで、定量のお湯がすべて排出されるまで待つ」ということは動かせないので、たとえ失敗しても卵の大きさを変えるか、卵が常温かひんやりかくらいの試行で済むわけだ。なるほどそう考えれば行程がひとつ多いことなどいかほどのものか。便利な発明だ。

しかしうちにはすでに愛用ゆで卵機があるのでいらないことに変わりはない。タッパーとしても使えないし、もてあますなぁ……。

 

ということを考えながら昨日は早めに寝てしまったので、これは昨日の日記です。